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根津甚八プロフィール
俳優。75年「娘たちの四季(フジテレビ)」でエランドール賞を受賞。同年「濡れた賽の目」で映画デビュー。80年黒沢明監督の「影武者」に出演。82年「さらば愛しき大地」でキネマ旬報主演男優賞、日本アカデミー賞主演男優賞受賞。85年に再び黒澤明監督の「乱」に出演し世界的評価を得る。近年は舞台を中心に精力的に活動している。
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ブログ一周年

皆さん、いかがお過ごしですか? 根津甚八です。

そよ風に吹かれていつまでも身をさらしていたくなる、俺が一年を通して一番好きな、そんな爽やかな季節になってきました。
暖房も冷房も必要ないし、日によっては、ここはハワイかと思われるようにサラっとした空気とクッキリした陽射しで、実に清々しい天気に恵まれることもありますよね。

今、これを打ってたら、すぐ目の前の陽溜まりに、近所の飼い猫が気持ち良さ気に思いっきり昼寝を決め込んでいるのに気づいた!

カシャッ。カシャッ、カシャッカシャッ!

昼寝ネコ
(クリックで拡大)


全く動じず、グッスリ寝込んでいる。


この陽気の良さに、ぬくぬくとチョイだる目で気持ち良さそうである。こんな愛らしい猫の姿を目にすると、猫派の俺としては、また飼いたくなってしまうなあ。

愛らしいといえば、この間、息子がカイワレ大根を種から育て、その観察レポートを作成する宿題をやっていた。
コーヒーテーブルの上で、ガラスの器へ収められた「カイワレ君」の種が気になって時々眺めていたら、陽差しに誘われて芽を出したかと思ったら、日ごとスクスクと伸びるわ、伸びる。
小粒な種から芽を吹いて、短い期間で育っていくのを見ていると、何とも愛らしく、いじらしいものである。
どんなに小さくても命なんだやっぱり、と妙に感じっ入ってしまう。

妻が用意した器の形が良かったせいもあると思うが、あんまり可愛いので写欲に駆られ、カイワレ大根のクローズアップを初めて撮った。

カイワレ
(クリックで拡大)


なかなか絵になってるのだ。


「レポート書き終わったから捨てていいよ。でも、一つだけとっといてぇ。どれだけ伸びるか見たいんだ」と、息子。  

「捨てるのはよくないな。せっかく自分で育てたんだから食べてあげなくちゃ」
「わかった」

で、一つはまんまにして、写真に撮った方の「カイワレ君」はその日の夕食のサラダに強制参加してもらい、家族全員の胃袋に収まったのだった。
採れたて(?)で鮮度抜群のカイワレ大根の美味かったこと(^0^)

息子のレポート宿題といえば、こんなことがあった。
まだ3年生の時である。ある日いきなり、「パパ、ちょっとパソコン借して」ときた。

「何すんの?」
「宿題」
「ふ~ん、パソコンで?」

と、使えるのかな?と半信半疑でノートパソコンを渡した。

「学校にあるウィンドウズと違うから、やりにくいなあ」
などと、一丁前の口をききながら何やらサッサかやっている。

気になって覗いてみて、俺はビックラしちまった(◎_◎)

な、な、なんと「Power Point」を使って「僕のおすすめ」というレポートを作成してるではないか!!!

父親である俺は、Power Pointなんてソフトは、送られてきたデータを開く時しか見た事がない。一寸使ってみようかと試してみたことはあるが、間もなく挫折した。  

「出来たあ!」

「・・・ふ~ん、どれどれ(早え~、もう出来たのかよ!?)」

と、平静を装い覗き込む俺。
すると、そのレポートはサウンド付きで、さらに中の画像の一部が動くようになっているのである!? 二度目のビックラ(◎_◎)

親としては嬉しくもあり、チョッピリ悔しくもあり、9才でここまで出来るってことは、将来とんでもないところまで進むんだろうという予想に恐ろしささえ覚えたものである。

今、自分の子供の頃には考えられない事態となっている。

俺の子供時代には、大人は何でも知っていて、あらゆる面で超えることのできない大きな存在であり、畏敬の思いで見上げる存在であった。
ところが、今やこれだけ多くの分野でデジタル化が進んで来ると、この世に生まれた瞬間からデジタル物に囲まれ、何の疑問もなくデジタルで遊び、扱い慣れて育つと、俺の世代(いや、世代と関係ないようにも思えるが)は、子供とデジタル物では一緒に遊べない。
俺には、子供が好きなゲームは何がどうなってるのかチンプンカンプンだし、たとえいじる事はできても、勝負は圧倒的に子供の方が優位だからだ。
子供は正直で残酷だから、「大人なのに、何でこんな簡単なこともできないの?」と感じているに違いない。

デジタルの仮想世界は、大人も子供も、強い者も弱い者もみんなを平等にしてくれる反面、危険な勘違いと思い込みを生む可能性を孕んでいると思う。

最近日本でも流行り始めてるWeb上での仮想社会「セカンドライフ」も、ちょっと危ない匂いがすると感じてるのは、俺だけだろうか?
仮想社会に長時間のめり込んでいると、知らぬ間に意識は、見えない「毒」に侵されていくのではないだろうか。

デジタル仮想社会に限らず、効率と利便性を主に追求する世界に浸ってる時間が長くなれば、その分だけ、本来の生の人間の自然な流れの意識に、地球本来のあるがままの大自然に触れる時間を意識的に増やさないと、ヒトは知らないうちにヒトとしては歪んでいくと思っている。大自然の前にヒトは無力であるという謙虚さを知っておく必要がある。

かつては、子供の遊びの殆どは、親がまだ小さかった頃体験したものばかりであって、大人はあらゆる場面で先輩であり、子供に教え、指導することができた。それが、デジタル化が進む中で、かつての大人と子供の関係が逆転している場面が増えている気がする。
大げさに言うと、子供が大人の存在をなめてかかることに繋がっていく要因となっているのではないだろうか。

デジタル物に滑り込みギリギリスな俺は、「Photoshop」「Skype」などをマスターすることで、デジタルの場面でも息子より優位を保とうと意識しているこの頃である。

さて、気がつけばブログを始めて、はや1年になる。

この話をいただいた時、筆無精で遅筆な自分にブログなんぞ出来るわけがないと思い込んでいた俺は、妻の友人丹生谷さんに言われた。

丸一年前のブログに、

「書けない時は写真を多用してもいいし、決まりは何も無し、構えずに気軽に始めてみたら」と勧められた。これで少し気が楽になり、ひょっとして俺にも出来るかもなどと思ってしまい、「それに、まずは始めてみて重荷になったら、最悪やめるという選択肢もありますから」という一言で、さらに気が楽チンになってしまい、つい「やってみましょう」

とある。

丹生谷さんに背中を押されていなければ、ブログはやっていなかったに違いない。
つまりこんな沢山の出会いを与えられるブログの幸運には巡り会っていないということだ。

俺の人生は、「ひょんなこと」がきっかけで大きく転がってきたとも書いたけれど、やはり今回も案の定の結果であった。進歩がないというか、これは生涯変りそうもないようだ。
でも、皆さんも案外そうではありませんか? 
人生、あまり決め込まずにいろんな「ひょんなこと」に首を突っ込んだ方が楽しい方へ転がっていくようです。

今思うと、ホントに丹生谷さんには大感謝である。そして、テニス365さんにもm(_ _)m

さて、その丹生谷真美さんが、最近新刊を出しました。

丹生谷・新刊
(クリックで拡大)


彼女の本はいつも簡素で上品な装丁です。


タイトルは縦に「母から学んだきちんときれいな暮らしかた」とある。日本語の美しさは縦書きにある、と拘ってらっしゃる様子がわかる。
しみじみとしたタイトルです。年配の方から若い方まで、特に女性は是非側に置いておくことをお薦めします。

「異形の役者体」の7番目に展開するはずだったのに、ズンズン別の方向へ来てしまいました。
だから、言ったでしょう、あくまで予定だって・・・。
と、自己弁護。

それでは、またお会いしましょう。再見!!!
投稿者 根津甚八 19:26 | コメント(16) | トラックバック(2)
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